40 |
牛丼怖い |
2002/12/26 03:03 |
|
|
牛丼が怖い。11月に心斎橋の松屋で劇的にマズイ牛丼を食って以来、全くと言って良いほど牛丼屋に行っていない。牛丼屋に行ったらまたヒドイのを出されるのでは、という恐怖心で毎日僕は押し潰されそうになっている。しかし「全く行っていない」と書かなかったのは、実はあれから一度だけすき家に行ったからだ。最後に食べた松屋の牛丼が頭にこびり付いて離れない日々にピリオドを打つため、勇気を振り絞ってすき家に足を踏み入れたのである。
まあまあ美味しかった。
そう、実はすき家では牛丼をまあまあ美味しく食べることが出来た。しかしそこにはかつて牛丼に感じたような愛がなかった。胸のトキメキを感じることが出来なかった。牛丼を食いながらその行為に「牛丼を食っている」という以上の意味性を全く見出せなかったのだ。それまでは違った。僕は牛丼を食いながら、日本全国の全ての牛丼屋で同じ瞬間に牛丼を食っている見知らぬ人々に確かな愛情や慈しみにも似た感情を抱くことが出来たし、290円という値段に溢れんばかりの感謝の気持ちを感じることが出来た。そこには確かに「牛丼を食う」という行為以上の意味があったし、僕はそれを感じられることをとても幸せなことだと思っていた。
すき家の牛丼を食いながら僕は、僕と牛丼の蜜月期間が遂に終りを迎えたことを知った。すき家の牛丼が塩辛かったのは決して店が味付けを間違えたからではない。しかし、あの日僕らが信じたもの、それは幻じゃない。
SO YOUNG。
|
|
|
|