ジュズツナギ

第 11 回

「 京都とスクーター 」


矢田和生
(BMBINI)

ぼくは自動車免許がありません。今更教習所へ通うことも出来ず、多分、これから先も持つことはないでしょう。普段はもっぱら自転車で生活しているのですが、バイクの免許(中免)は持っています。まあ、今は身分証明ぐらいにしか使っていませんが。

大学に入ってすぐ、僕は古いスクーターが乗りたい一心で、わざわざ中免を取りにいきました。京都の学生にとってバイクは必需品。通学に、遊びに、バイトに、ぼくの周りは男の子も女の子もみんな乗っていました。

今となってはいい思い出ですが、当時僕はモッズ君(風)でした。そういう人たちが集まるところで遊んでいたというのもありますが、べスパやらランブレッタやら、カスタムしまっくたスクーターをたくさん見たものです。ちょうどその頃、メトロさんで「POP MANIA」というイベントをやっていて、モッズの巣みたいになっていた時期がありました。スクーターが5、60台ずらーっとメトロ前の歩道に並んで・・・たしか「八起庵」あたりまで並んでた気が。僕も愛車にレコードバッグをつんでDJしに行ってました。って7、8年前の話ですが・・・。

バイクの多い京都の街。今もバイクに乗っている若者はいっぱい見かけますが、そんなスクーターはめっきり見かけなくなりました。僕の愛車だったラビットも数年前に廃車となりました。時代の流れといえばそれまでですが、あの頃のモッズ君やモッズ・ギャル(?)は今頃どうしているのでしょうか。あのスクーターたちは何処へ行ってしまったのでしょう。

そういう僕も今は自転車だし、ジーンズにスニーカー。学生時代から始めたDJは最近はたまにしかやりませんが、レコードはずーと買いつづけ、クラブへ遊びに行き、仕事もついにレコード・レーベル。と、人生まさに音楽一色。京都暦もついに10年。京都をイギリスのマンチェスターやブリストルみたいにしてやるぜ、という野望は今だ達成されずままもうすぐ30。京都のうまい飯屋にはいっぱい巡り合いましたが、いいバンドにはなかなか巡り合わず、どうしたものかと思う今日この頃。うーむ、そろそろ引っ越すか。でも田舎は無理か、車乗れないし。


ジュズツナギ
つぎの方は…
堀部篤史
恵文社
矢田和生
BAMBINI
高橋孝博
HALFBY

第12回は、HALFBYというユニット名で最近初のリミックス作品をリリースしたZEST京都のスタッフ高橋孝博くん。その昔やってた「POP MANIA」で知り合い、京都にいる友人では一番古い付き合いかもしれない。彼のキャッチーさの謎を分析できれば、うちのレコードもっと売れるかも。一滴も飲まなかった酒を最近飲むようになった彼もついにレコード・デビュー。有名になって芸能人紹介してください。モデルでもいいよ。

BAMBINIロゴ
矢田和生
東京中心に動く日本のポップミュージック業界を脅かすシーンを京都に作るべく、9 8年よりBAMBINIレーベルを始動。日本のアーティストのみならず、ヨーロッパやアメリカの新鋭アーティストを京都から発信中。酒にまつわる武勇伝(?)数多くあり。
www.bambinirecords.com

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