ジュズツナギ

第 18 回

「ポリスとコソ泥」

佐藤尚宏
(OFF SIDE)

底冷えの冬に、蒸し暑い夏。祇園祭に、京都タワー。THREE SEVENに、騒音寺。雅壱番舘に、吉田寮。歌舞練場に、鴨川。αステーションに、音沙汰...

音沙汰ジュズツナギの話をコジマさんから頂き、その場のノリで軽く受けたまではよ かった。いざ書こうと意気込んでみるものの、後悔先に立ちません。京都と音楽は 日々の事なのに、いざ、どうなのよ?と聞かれると苦悶ですよ。これはもう。僕が、 エラそうなことを書いても仕方ないし、困りましたな〜。京都、京都。京都で日頃している ことといったら、レコードばかりを飽きもせず、いいレコードはあるか、つまらない レコードばかりか、それは二度、三度覗いただけでは判らないので、いつも同じ店を 見て回っていますな〜。極たまに年一回は思いも寄らない事がありまして。梅木マリ ちゃん、伊藤ゆかりちゃん、中尾ミエちゃんが唄っている「マイ・ボーイロリポップ」を探していた時、いつものように店の棚を一つ一つ指を黒くし見ていたら、演歌 コーナーから掘り出し物が、が。が。渡辺ルリ子ちゃんの「マイ・ボーイロリポップ」!!おおーこんなん知らんぞ!!しかも演歌コーナーって!?誰も森進一ク ンに隠れて、こんなんが出てくるなんて!(この後にあったレコードは欧陽菲菲さ ん。一年演歌組、学級委員の進一クンとすれっからしな菲菲さんに挟まれたクラスに 必ず一人はいる引っ込み思案な子。それがこのルリ子ちゃん。なんとも可哀相。)あ のカシマシ三人娘以外で歌っていた娘がいたなんて!しかもバック・バンドには熊木 忠とポップ・キッカーズ!!(なんともかっこよいバンド名。)スカ大名曲決定盤 ゲット。しかし、こんなことばかりではありませんぞ。世の中そんなに甘くない。レ コードが織り成す物語は時には儚い物もあるんですな〜。京都でレコードを盗まれ国 家権力を縦横無尽に振り翳し、甘い汁に群がりまくる日本最大の暴力団・警察とこん なやり取りをした事がありました。

警察:「なに盗られたの?」
僕:「レコードです」
警察:「えっレコード?全部で幾らくらい?」
僕:「三枚で10000円くらい」
警察:「あ〜プレミアとかいうやつ?なんでも鑑定団か?ふ〜ん、最近そんなん多い ねん。で?普通の人が見た、見た目で幾らくらいなん?」
僕:「?」ナントモ高慢な態度。
警察:「中古だったら、普通の人が見て10円で買うかってとこちゃう?」
僕:「?」10円って!?
警察:「プレミヤ入れるなよ〜?」
僕:「?」入れるなよ〜?って、入れないっつ〜の。
警察:「ほんじゃ一枚10円で、三枚で30円」
オヨヨ〜!被害総額30円。警察はありがたい事に減価償却してくれちゃって。ウ〜 泣く泣く強者・国家権力に屈する弱者・一般市民の僕。今だに警察から連絡はありま せんぞ。あ〜僕のレコードよ、何処へ。

今夜も京都の至るところで楽しい楽しい音楽が繰り広げられているのでしょうな〜。 その時間、どこかで、あのレコードは...             パキッ...。


ジュズツナギ
つぎの方は…
小島隆
PROTOTYPE
佐藤尚宏
OFF SIDE
白澤弘紀
FREE HAND

第19回は、『FREE HAND』ウェブ・マスターの白澤弘紀氏。ケニー・ロギンス「フットルース」を聴き、満面の笑みを浮かべながらヘッド・バンキングする真の音楽ファン。小玉和文、土生剛、森雅樹のイラストを載せた幻のゲリラ・ペーパー初期『FREE HAND』は現在入手困難。


佐藤尚宏
仙台出身。『勇み足』DJ。元北山の某レコード屋バイト。高校生の時ロック喫茶“ピーターパン”で京都発フリーーペーパーを手にしたが京都との縁。同時に突如SKAに心を奪われ、20才の時デタミネーションズが観たいが為に単身関西へ。大萬燈祭・北野天満宮ライトアップコンサートにてDJ参加。その時の選曲がネット上で噂になったらしい。

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