ジュズツナギ

ウチが自分で初めて買ったＣＤは｢SUPER BAD｣っていうバンドのアルバム。 箱入り京娘やったウチは、近所の西部講堂から走ってくる酔っ払いが、まさか京大生だなんて知る由もなかったし、 父の部屋にある真っ赤なレコードがクリムゾンの名盤だなんて知らずに不気味がってた。そんな得体の知れないモノより ユニコーンとかコメコメとかが良かった。。そんな少女時代の夜のこと｡≪ラジオの前で膝抱えてるキミも踊ったほうがイイぜ！≫ ホンマにその体勢でラジオを聞いてたウチはメッチャびっくりした｡「何てクッサイこと言うんや｣｡イヤホンからライブの音が聴こえ出す・・ なんか、カッコイイんちゃうんか。

「イソイデ　イマノウチダゼ
イソイデ　ニゲダセルノワ
イソイデ　ニセモノバカリ　モウ　タクサンダ」
･･二階でメシ食ってる奴らなんて大嫌いダゼ！
「ホントノコトハ　ゴミノナカニ
アシタノコト　人ニマカセテ」
「マイバン　アノコガ言ウンダ
ロックシテって。もっとロックシテって。
ヨク言ウゼ　処女ダッタクセニ
ロックのロの字もシラナカッタクセニ!!!」

・・・穢れないウチは降参していた。足をバタバタ動かして。この人らが歌ってた歌詞を本当にわかったのは、もっともっと後の事やったけど。

21世紀にもなってこんな話もどうか思う。けど選択肢が広がれば広がるほど、制限が無ければ無いほど、自分は何が欲しいのか、よくわからんくなる事って多い。音楽や言葉がヒトの心を動かすのは簡単じゃない。この小さな街キョートから聴こえるオトサタ。

パソコンの前で背中丸めてる＊アナタ＊に、
どうか届きますように。