オトサタインタビュー
「KYOTO HIPHOP STYLE」

 

DJ SANCON
(HIPHOP DJ/BEAT TRICKS)

昨年12月23日KBSホールで行われた西日本最大級のヒップホップ・ロックのライブイベント「TERMINAL」。ライムスター、シャカゾンビといったヒップホップ勢、バックドロップボム、ブラフマンなどのロック勢と、DJ REEDER、DJ SANCON、FU−TENといった地元勢が共演する豪華な内容で、チケットは即日完売。記念すべきイベントとなった。
今回はその「TERMINAL」の開催者DJ SANCON氏に京都のヒップホップシーンについて、KBS京都ラジオで共演中のえなっちが聞いた。
Q.まずはTERMINALの感想というか…
えっと、出演者のみなさん、スタッフのみなさん、そして来てくれたみんな。どうもありがとうございました、凄いたのしかったです。僕が音楽的に尊敬して共感する人に京都で集まってもらって、デッカイイベントをやりたかったので。ついに10年越しでやれたかな?ってかんじです。達成感はありますね。でもこれからが本当の勝負だと思うんで次回も慎重にイイものやって、京都と一緒に、みんなが上がっていけたらいいなと思います。次回は今回来なかった人が来てくれるようにね。

Q.では初歩から・・。SANCONさんがDJをはじめたキッカケは?

高校2年の終わりぐらいです。昔はHIPHOPはスクラッチの巧い奴がクラブで回せるって感じやったんですよ。僕はHIPHOPが好きだったし高校生ながら、「DJカッコイイーー!」って(笑)。うん、高校の時に文化祭とかで先輩達がバトルDJしてるのとか見てましたしね。でも、どーだろ。当時はクラブっていうより、ディスコ。上下関係も厳しい時代でしたし、今も最前線の人達が当時から活躍されてましたね。まさに体育会のノリ。でも「DJやりたい」ってホント思って。メトロでSHARKさんつかまえて。「教えてください!」って。ターンテーブルは高2の終わりに「買おう」って決めて。それから3年間ローン。長かったっす…。月5000円くらいだったんですけどね(笑)。もし僕に何かあっても払いきれる金額で(笑)、意地でも手に入れたかったしね。ローンが終わる頃にはちょっとは巧くなってるように、その機械に負けないように頑張ろうと。ひたすら後は練習練習です。で、近所から苦情が来て実家追い出されたんです(笑)。

Q.アナログ集めは?
レコード集めだしたのも高校の時。昔買ったモノって今聞くとオモシロイものが多いっすよ(笑)。お金なかったですけど…三度のメシよりレコード。投資しましたよー自分に。今も投資中ですけど。そこからレコード漬け音楽漬けです。ま。ダンサー時代もあったけどねー。え。嘘です(笑)。ま。C&CとかパワーとかMCハマー流行ってたときはフロア全体が踊ってたんで(笑)ディスコで(笑)。HIPHOPは学校では、あんまり・・やっぱディスコとかクラブで。僕が一番下でしたけど。関西ではやっぱりYOSHIさん。SHARKさんがいはります。僕で10年ですが、まだまだっす・・。

Q.でも・・凄いですよ。10年やって思うことは?
…ダンサーにはなれへんかった・・。あ。冗談ですけど(笑)。やっぱり始めは全然、ヒト入んなかったんですよ。某祇園のクラブであった僕の初ワンマン。客全部で20人くらいだったもん(笑)。でも凄いんですよー当時のHIPHOP DJって。お客サンきたらバトル!。コスル。酒呑んでる奴の横でコスル(笑)!ターンテーブル持ち上げたりミキサーでコスったり廻ったりとか!バーて廻ってるやつなんておらへん(笑)。でもそれがカッコ良かったんすよ。コイツらスゴイーって。
で。みんな僕らの時はバトルの大会にでて名を上げるっ。全国大会は緊迫してましたよ。みんなウォークマン聞いて誰とも喋らないんです。まさにオトコの世界。ロッキーのテーマ・・とか流れそうな。僕は「ニューミュージックセミナー」でファイナル残りました。そん時の出場者はみんな有名ですね、関東地区なんて特に。みんなも知ってるヒトいますよ。

Q.10年間で京都のHIPHOPシーンは変りましたか?

前からHIPHOPのイベントには勝手にヒト入ってましたね。でもダンスの割合は低かったかな。ターンテーブル4台並べてた時代だったからね・・。まぁ。僕がバトルDJだったって知らないヒトも多いんですよ。94年とかのコトですし。家ではコスってますけども(笑)。今は選曲の方が面白くなってます。お客サンも音楽を聞いてくれるようになりましたね。曲の間にスクラッチいれてつないでいくっていう・・。持ち時間の中で僕の世界を作る。バトルのヒトは1、2分の間に自分の世界を作る。その違いですけど。京都はハッキリしてますよー。シビア。ダメなときは踊らない。そのヒトのバイブが伝われば踊るし。わかり易いですけど怖いところです。でも京都で盛り上げられれば、東京行ってもどこ行っても自信もってやればイイと思うんです。ちゃんと音楽と人を大切にすれば出来ると思います。そういう意味でDJの環境もだいぶ変りましたね。DJだけじゃなくてMCやダンサー、イベントやって頑張ってる奴もいますし、京都は凄く楽しみな場所になっていると思います。

Q.SANCONさん自身も大物との共演が増えましたが?SANCONさんのスタンスは?

ブッダブランド(エルドラドオールスターズ)のツアーを一緒に回れたり。マスターキーさん、ユキジルシさん、ケンセイさん、ライムスターさん、シャカゾンビさんら、皆さんに御世話になってます。有難いですね。あと、HIPHOPだけじゃなくてロックのヒトと関わることも増えました。それは・・何ででしょーね?ま、最初はファッションが繋げてくれたと思いますよ。ストリートの。HIPHOP系の服でもロック系の服でもカッコいいでしょ?分け隔てないです全然。イイものはイイし。音楽もそう。どんなジャンルでもTOPクラスの人たちと一緒にできることにはいつも感謝していて勉強になります。あえてHIPHOPの強みっ・・ですか?うーん。…なんでもかけられる(playできる)所・・かな。レゲエでもハウスでもロックでも。「パーティをROCKする・・。それがHIPHOP」(笑)。僕は、もともとお客さんを踊らすのが好きなんです。これが生きがい。

Q.京都がもっとこういう風になったらなーという願いは?
もっといろんなヒトが気楽に遊べる環境を作らないとね…。まだまだ少ないです。それに、僕らが若い時は無理してクラブとか入りましたけど今はいろんなメディアがありますし。関西はまだ弱いから、もっと頑張っていきたいですよ。ラジオでもインターネットでも。京都っていう1つのくくりから音楽が盛り上がっていけば面白いですね。特にHIPHOPは僕も頑張ってますから。大物のゲストさん達も京都は盛り上がってるから安心して来てくれてるんで。そういう状況をもっと知らせたいですね。

Q.10代のDJを目指す人へメッセージはありますか?

やる気あるヒトはいっぱいいますからねー!自分がイイと思うDJを見に行って、フロアで踊る。踊る奴はDJも巧いです。カラダで感じないとムリですねDJは。キッカケは何でもいいんです。流行りでやるのもOK。ハウスが好きとかドラゴンアッシュがイイとか。そういう所からでも、カッコイイなって思って入ってくれれば。でもやるんなら本気でやらないとダメっすね。

Q.SANCONさんの目標は?
自分のトラックも作りたいし、リミックスも今年はガンガンがんばって出します。よろしくおねがいします。もっと将来の目標?えっ・・と…、子供と遊ぶ。DJスクラッチビーーム!とか(笑)。子供好きなんで。子供向けの何か・・とかどうですか(笑)?ま、これまでラジオでHIPHOPのMIX流したり大きいイベントやったり公開放送やったり。京都で初めての事ばっかりやってるんで。これからも下を見ないでがんばりたいですね。

Q.オトサタドットコム訪問者にメッセージを。
ジャンル関係なくイイ音楽を聴いて欲しいです。僕としてはもちろんHIPHOPに戻ってきてくれたら嬉しいけど。そういう意味では京都が変わると全国が変わると思います。そういう京都を盛り上げたいっていうのはいつも僕の頭の中にあって、どこにいても考えてますよ。それからHIPHOP好きな人は、どんどんクラブで喋りかけてほしいです。若くてもヤル気が本当にある人なら一緒に上りたいし。ぼくも常に上みてますから。

聞き手/えなっち(ラジオDJ)
構成/岡 有子(オトサタドットコム)


DJ SANCON
ヒップホップDJ。関西を中心に活躍するBEAT TRICKS(DJ SHARK DJ AKIRA)のメンバーで、クラブメトロのHIPHOP・R&Bパーティ「ESSENTIAL」を主催。2000年はBUDDA BRAND率いるエルドラドオールスターズ全国ツアーに参加。2001年はP−VAINよりMIX CDを発売。DJ MASTER KEY、DJ YUKIJIRUSIらと全国ツアー。ラジオはKBS京都ラジオ「FAR EAST JUNGLE」(日曜24:15〜)に出演と幅広い活躍を続けている。

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