:永江孝志

口コミでじわじわと人気を広げつつあるOKミュージックボールのフロントマンでもあるなーちゃんこと永江孝志。2000年11月にソロマテリアル「 OK MUSICS」をコラディスクからリリース。これはなーちゃんが4トラックカセットMTRでコツコツと3年間かけてつくった作品集。宅録にちょっとでも興味のある人ならマジ?!これが4trで作られてるの?とブッとぶダビング作業の実態がここに。楽曲全体もとても素晴らしいので聴いたことない人はぜひ。

コラディスクホームページ
http://www.colladisc.com/


オトサタインタビュー

ひとりで音楽をつくる楽しみ

▼MTRでの多重録音の段階でね、例えば途中で「もう、これでいいかな」と思うことって無いですか?
「実はな、なんとなく最初からモヤーッとした到達点があるねん。でも、モヤーっとした段階にはフレーズは無いねん。ギターのフレーズとかも。」

▼メロディが無いってことですか?
「うん。歌メロも無い。とにかく、全体的にこういうかんじってのがあって、それを具体化するために歌メロを作ったり、重ねていくねん。その到達点に行ってへん時はスカスカしてるなぁとかも思うねんけど・・・あっ、でも逆にモヤーとしたものがスカスカの時もあるねんで。音数がわざと少ないときもあるし。でも、最終段階は頭の中でわかってるねん。」

▼進行の途中で思い立ったようにこれを足そうってのはあんまり無くて。
「やりながらフレーズが出来ていったりとかはあるねんけど、最終型を具体化させるためにどう重ねるかがあるだけで。その段階で、作り込んでプリプロするねんな、構成を変えたり、手直しして。それでもうまく行かない時は昔のデモの音源使うこともあるねんけど。一人でやるから、好きなようにできるし、それがええとこかな。でも、自己満足にならへんかなって心配になることもあるねんけど。」

▼止める人がいないから?
「それもあるし・・・自分を癒そうとか思ったら自己満足よりももっと先に行かないとできひんような気がするしなぁ。」

▼曲づくりは自分を癒すためのものなんですか?
「最近そうするように心がけてんねん。最近、人に聞かせて作るってことを考えんようにしてんねん。それがインディーズのええとこかな(笑)。何でも妥協点って絶対あるやんか、それまでこうしなあかんっていろいろガーッと考えんねんけど、ある時、プツンって切れんねん。『エド・ウッド』って映画が好きで何回も見てんけど、あの映画に出てくる場面で映画撮影をしてる人がめちゃめちゃええかげんで・・・、ちょうどああいうモードに入るねん。そうなった時が妥協点なんかなぁ。」

▼UFOを吊り下げてるヒモが見えてるのもOK!みたいな?
「そうそう、そんなかんじ。投げやりにこんなんでええわーってかんじでも無いねんけど。」

▼妥協だけど、ひょっとしたらこっちのほうがいいかもと思える時ってことですよね。
「そう。それでな、一旦完成したものには手つけへんようにしてるねん。その時であやふやが残ってる場合はいじりたくなるんやけど、「ハイ、できた」と思うものはいじらへん。」

▼『ルーツ』とかって曲も詞もすごく壮大に感じるんですけど、ああいう曲は何をヒントに作るんですか?
「映画とかもあるし・・・、俺な、結構替え歌みたいにして曲をつくることがあるねん。」

▼替え歌?
「映画のテーマ曲とか気に入った曲に替え歌遊びみたいに適当な詞をつけてみて、そこから曲をアレンジしていったり、メロディを替えてみたり。そんな作り方してたらめっちゃ曲できそうとか思うやん?でも、なかなかできひんねんけどな(笑)。」

▼ボツ曲はいっぱいある?
「いーっぱいある(笑)。できたといいきれんうちにライブとかがあって自然に消えてしまってる曲にも、自分の好きな部分があって、それをあとからひっぱり出してきて完成させようと思ってるのもあるけど。」

▼最近、曲できてますか?
「7曲同時進行。」

▼7曲?!
「完成させっちゅうねんなぁ(笑)。今作ってるやつは1番、2番とか無いねん。Aメロ、Bメロ、サビがボンッボンッってあって、2番行くんかなと思ったら終わんねん。だいたい、3分ぐらい。短い気がすんねんけど、録音してどんななるんやろと思ったら3、4分ぐらいやねん。はじめの展開があって、パチンと切り替わってまた違うメロディがきて、最後の大サビみたいなのがあって・・・で、それでええねん。普通やったらこれが一番やろうってかんじやねんけど、もうええねん。それで1曲。」

▼ママスタジヲの『ステロタイプポップ』(なーちゃんがコーラスで参加してます)もそんな曲でしたよね。
「くっくっくっく・・・(笑)。その曲のレコーディングの時に呼んでもろうてんけどな、スタジオの雰囲気がめちゃめちゃええねん。面白いから、何時間でもおれるねん。6時ぐらいにスタジオはいったのに、終わったの2、3時やで。でも、そのあとにまだゲームとかして、朝5時ぐらいに寝て、俺その日ライブやで(笑)。でも、めっちゃ面白かった。あんなん見たらバンドってええな(笑)。 」

interview,text:Mayura Iki ( www.otosata.com , penpengusa )

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