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演前に伊藤さんからコアファイコに関するプチ情報有。「コアファイコ、びっくりするよ。宇宙時代から来たバンドで超音波ラップやるから。ミスター・イトウなだけにね」 ・・・宇宙?超音波ラップ?何やら楽しげなんである。
して登場したのは全身にアルミホイルを巻き付けた狂人。頭には1本の角。うっ宇宙人だ!あれはアルミホイルじゃない。皮膚だ皮膚。サングラスをしているのは、メトロ(地球)の光が眩し過ぎるからだ。地球人バンドを従えてヤツはいったい何をしようというのか。すると突然バンドの演奏をバックに宇宙人が凄まじい早口で何事か叫び始めた。フロアを指差し睨み付け、とにかく口から音を出す出す。何言ってんのか全然わかんねー!・・・ハッ!これが超音波ラップ!!
々地球人に何か訴えたいことでもあるのだろうか。地球人バンドの繰り出すスペイシーな音空間に身を委ねつつも懸命に彼の言葉に耳を傾けていた俺は、しかし大変なことに気付いてしまった。激しい動きのせいでアルミホイル、否、彼の皮膚があちこちで破れ、めくれ始めているのだ。下から覗く地球人っぽい新・皮膚。――進化している!ヤツは地球の大気に順応し、宇宙仕様の銀色の皮膚を脱ぎ捨て始めたのだ。
愕する俺のことを嘲笑うかのように、ヤツは1秒間に500単語くらい吐き出しながら今度は唐突にフロアに倒れ込んだ。床で何やらのたうちまわる半地球人。酸素が薄いのか。旧・皮膚への追悼ダンスなのか。ちらちら股間の旧・皮膚の隙間から覗く黒っぽいアレはやっぱアレなのか。様々な疑問を俺に抱かせつつもコアファイコ、何かまとめるでもなくそんな感じでぷっつり終幕。混沌と混乱、ちぎれた旧・皮膚の破片(多数)、そして「1秒ごとにお前ら皆チャンピオン」という謎の言葉をフロアに投げ捨てて。